一般社団法人日本自動車購入協会(JPUC) JPUC事務局
一般社団法人日本自動車購入協会(JPUC) JPUC事務局
一般社団法人日本自動車購入協会(JPUC)は、車買取業界の健全な発展のため業界団体の設立が望まれて2014年に設立されました。JPUCは「一般消費者への安全・安心なサービスの提供」という理念のもとに、顧客への不当な勧誘を防止し、一般消費者による自主的かつ合理的な選択、および一般消費者が安心かつ安全に契約できる環境を提供することで、自動車の取引の公正化を図っております。
「自宅から離れた駐車場に停めていた車が台風の影響で冠水してしまった」
「通勤中にゲリラ豪雨に遭い、アンダーパスを走行中に浸水してエンジンが止まってしまった」
「水害が増えているので、もしもの時に慌てないように対処法が知りたい」
ここ数年、台風やゲリラ豪雨などに伴う、車の冠水被害が増加しています。本記事では、万が一冠水トラブルに見舞われた際の対応について、全2回で解説します。第2回は「冠水した車を手放すときに気を付けること」編です。
第1回はこちら
冠水の被害に遭いお困りの方も、今後の水害に備えて知識を得ておきたい方も参考にしていただければと思います。
冠水した車を手放すときに気を付けること
第1回でもお話ししましたが、冠水した車は電気系統に異常をきたしている可能性があり、通電火災や感電の危険があります。絶対にエンジンをかけたり内臓部品に触れたりしないでください。
任意保険について
①車両保険の補償対象になるか確認する
車が冠水被害に遭った場合、任意保険の「車両保険」で補償の対象になる場合があります。
ただし、原則として台風や豪雨をはじめ、洪水や高潮による損害については補償されますが、地震や噴火およびそれに伴う津波などによる損害は補償となりません。(地震噴火津波特約を付帯している場合を除く)
補償の対象になるかは、保険会社や車両保険や特約の加入内容などによって異なります。また、支払われる保険金についても、損害の程度によって大きく異なります。詳しい内容については、保険証券を確認するか、加入している保険会社に問い合わせてください。
確認する前に、自身の判断で修理に着手したり、廃車や売却の手続きを進めることは避けたほうがよいでしょう。
②保険金が請求できる場合
補償については、「全損」か「全損ではない(分損)」の判定および契約内容によって、支払われる保険金や車の扱いが大きく異なります。
<全損の場合>
もし、冠水の程度が酷く、全損判定による保険金が支払われる場合、車の所有権が保険会社に移転するケースがあります。その場合、車を下取りに出したり、売却したりすることはできません。
全損判定を受けた際は、保険会社に対し、「車の所有権はどうなるのか(保険会社による車の引き揚げはあるか)」「もし車の引き揚げがなかった場合、支払われる保険金に影響はあるか」を確認してください。
<分損(全損以外)の場合>
全損ではなく分損と判定された場合でも、一度冠水した車は時間の経過とともに金属部分の腐食や電気系統の不具合が発生することもあります。エンジン、電気系統だけではなく、内外装も含めて十分点検してもらい、修理見積りに漏れがないか確認することが大切です。
<搬送・保管・廃車費用などについて>
出先などで被災し、第三者の所有地、レッカーの搬送先などに駐車・保管されている場合、費用を請求される可能性があります。全損分損にかかわらず、かかった搬送・保管・廃車費用に関して、ロードサービスや特約で補償されるかもあわせて保険会社に確認してください。
売却について
保険会社による車の引き揚げがなく、自身で売却・処分を行う場合の注意点は以下の通りです。
①無理な清掃・補修は避ける(現状を保つことが基本)
査定を受ける前に冠水の跡を消すようなクリーニング、冠水の程度を隠蔽するような補修を行うことは避けてください。
やむを得ず、衛生上必要な清掃や換気を行う場合は、作業前後の状態を写真などで記録し、かかった費用の領収証や作業の明細なども保管しておきましょう。被害の程度を正しく把握してもらうためにも、査定が終わるまでは現状を維持することが望ましいです。
②査定の際は、冠水の事実を正直に申告する
「冠水歴がある」「どの高さまで水に浸かった」などは、知っている範囲で構いませんので、ありのまま伝えてください。撮影した写真や動画があれば、査定員に見せるとよいでしょう。
冠水した事実を隠したり、事実と異なる申告を行った場合、申告義務違反とみなされ、売買契約後に損害賠償や契約解除を求められるなど、大きなトラブルに発展するおそれがあります。
③「違約金に関する条項」「減額に関する条項」「契約不適合責任に関する条項」を確認する
売買契約を取り交わす前に、契約条項や特記事項に「キャンセル時の違約金に関する規約」「減額に関する規約」「車両引き渡し後の責任(契約不適合責任)に関する規約」がどのように定められているか十分確認してください。
特に、冠水に伴い売却を行う際は、「後に不具合が判明した場合、減額することがあります」「第三者機関による車両検査(オークション会場などの検査)の結果で金額が変わる可能性があります」などと定められていないか確認してください。
また「後から減額する可能性はあるか」「契約金額は確定なのか」を必ず確認し、契約書の内容に盛り込んでもらうのもよいでしょう。
④2~3社以上で比較検討する
災害に見舞われ、気が動転しているかもしれませんが、中古車の売買契約を査定の場で即決するのは避けたほうがよいでしょう。また査定を受ける前に業者に関する口コミを確認した上で売却先を選定することが望ましいです。
冠水車は、一般的な中古車として再販するより、解体して部品ごとに再販したり、海外輸出などの販路を持つ業者が有利な場合もあります。
「なるべく早く契約したほうがいい」と契約を急かされたり、「水没で値段が付かない」と言われた場合でも即決せず、契約金額だけではなく条件なども考慮して2~3社以上で比較することをお勧めします。
⑤(廃車の場合)還付金の有無を確認する
廃車(解体)する場合、自動車税・重量税・自動車賠償責任(自賠責)保険料の未経過分が契約金額に含まれているのか、別途還付が受けられるのか確認した上で比較してください。
警報などが発令されたら、無理に「乗らない」「走行しない」
ゲリラ豪雨や台風の影響で水害が増えています。悪天候の中、車で移動する行為は車の被害に留まらず、命に関わる重大な危険が伴うことがあります。
大雨の警報などが出ているときは無理な移動は避け、身の安全確保を最優先に行動することが最大の防衛策です。