
相談内容
普通自動車を代替するため、買取業者と売買契約を取り交わした。契約後、名義変更に必要な書類をいろいろ渡されたので実印を押し、印鑑登録証明書や車とともに引き渡した。契約金額が買取業者から振り込まれたが、しばらくして税事務所から『自動車税(種別割)還付通知書』※が届き、自動車税(種別割)の未経過分が買取業者に支払われたと記載されていた。
未経過分の還付金は自分が受け取れると思っていたので、買取業者の担当者へ問い合わせをしたところ、「『自動車税(種別割)過誤納金還付請求権譲渡通知書』※をご提出いただいたので、還付金は還付請求権の譲受人である当社に還付されます。その代わり、買取額に還付金相当額を上乗せしています。契約時にご説明もしており、契約書にも記載してあります。」と言われた。
その書類を渡したか、また説明があったか覚えていない。還付金が受け取れないなら、買取金額が安すぎたと後悔している。還付金分を追加で支払ってはもらえないのでしょうか。
回答
普通自動車の自動車税(種別割)とは、都道府県税の一種で、車種や用途、総排気量などによって金額が変わります。「毎年4月1日現在の車検証上の所有者」に年額が課税されます。(割賦販売等で自動車の所有権が留保されている場合は使用者に課税されることもあります)
そのため、年度の途中で車を抹消登録した場合、年度末までの未経過分の還付金が月割で発生します。ただし、『自動車税(種別割)過誤納金還付請求権譲渡通知書』※を提出した場合、還付金は買取業者など譲受人の指定先に支払われます。
基本的には買取業者が説明した通りで、買取の場合は契約金額に自動車税(種別割)の未経過分を含んで提示されることが多いため、還付金として受け取れないことがあります。(廃車となる場合は還付されるなど、例外もあります)
『自動車税(種別割)過誤納金還付請求権譲渡通知書』※は、多くの都道府県で実印の押印および印鑑登録証明書の添付が必要ですので、相談者はこの書類に押印し、買取業者へ提出していると思われます。説明の有無を確認する術はありませんが、契約書書面に「契約金額に自動車税(種別割)未経過分相当額を含む」など、売主に還付されない旨の記載があるのならば、還付金分の追加支払いに応じてもらうことは難しいでしょう。
売買契約を取り交わす前に、未経過分の還付が別途受けられるのか、説明がない場合には自分から質問してください。また、契約書の内容について、署名する前に確認してください。買取業者から渡された名義変更にかかわる書類についても「この書類に署名や押印することはどのような意味があるのか」を確認しながら作成することをお勧めします。
なお、軽自動車税は年税のため、還付はありません。
※『自動車税(種別割)過誤納金還付請求権譲渡通知書』『自動車税(種別割)還付通知書』の名称は一例で、都道府県によって名称・様式が異なります。また、添付書類についても、印鑑登録証明書の要不要、コピーでの対応可否、有効期限が異なります。詳しくは各都道府県のホームページをご確認ください。
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