
相談内容
新車を購入する際、ディーラーでローンを組んで支払っていたが、全額返済した。
そろそろ代替したいと考えていますが、この車を買取業者などに売却する際、何か必要な手続きはありますか。
回答
所有権留保について
自動車は高価なものなので、一括払いで購入せず、ローンを組んで購入する方も多いでしょう。
自動車のローンを組む際、主な借入先としては
- ディーラー(自動車販売会社)
- 信販会社
- 銀行や信用金庫などの金融機関
などが挙げられます。
銀行や信用金庫などの金融機関でローンを組む場合、一般的には担保なしで借り入れを行うことができるため、車検証上の所有者は「車の購入者」となります。
しかし、ディーラーや信販会社などでローンを組む場合、購入する車を担保にして借り入れを行うため、車検証上の所有者は「ディーラーや信販会社」となることが多いです。これを所有権留保といいます。
ご相談者に車検証を確認していただいたところ、所有者が「ディーラー」ということでした。今回は、その場合の流れについて説明します。
所有権解除と売却の手続きについて
ディーラーで組んだローンを完済しているとのことであれば、所有権留保の解除が可能です。所有権留保の車両を売却するにあたっては、大きく分けて2通りの方法があります。
①自分で所有権解除の手続きを行い、名義変更してから売却する
ローンを組んだディーラーに「所有権解除をしたい」と申し出てください。必要書類※のやり取りを経て、所有者(ディーラー)を使用者(相談者)の名義に変更する移転登録を行います。
①の手続き後に車を売却する場合、あらためて印鑑証明書や委任状などが必要になりますが、自由に売却することができます。
②売買契約をした買取業者に所有権解除の手続きを代行してもらう
買取業者などに売却する場合、査定時などに「ローンは完済しています」と伝え、売買契約後に所有権解除の手続きを代行してもらうことも可能です。買取業者に必要書類※を提出することで、ディーラーと直接やり取りを行ってくれるため、手間は少ないと言えます。
しかし、両社で書類のやり取り等が発生することになるため、車と名義変更書類の引き渡しが完了してから支払いが行われる売買契約においては、支払いまでに時間がかかることがあります。代替を急ぐ場合は、余裕を持って手続きすることをお勧めします。
※必要書類:会社によって異なります。(主に、印鑑証明書、車検証、所有権解除依頼書、②の場合委任状など)
◇返済が終わっていない車を売却したい場合は、以下の相談事例を参考にしてください。