相談内容
車のエンジンの調子が悪くなったため、近所の買取業者に廃車を依頼し、自動車税（種別割）未経過分などと抹消費用を相殺して車を手放すことになった。
1万円で売却することに同意し、現金と引き換えに車と名義変更書類を渡した。日頃から付き合いのある業者だったため、口約束のみで契約書など書面の取り交わしはしていない。
先日その業者の店舗前を通りかかったところ、自分の車が高値で販売されていた。ナンバープレートは外されていたものの、小キズの箇所などからして自分の車で間違いないと思う。
廃車するとの話だったのに、再販するならもっと高値で買い取ってもらえたのではないか。1万円では納得がいかないので、追加で支払いをしてもらうことは可能なのか。あるいは1万円を返金するので車を返してもらいたい。
回答
車の売買契約における契約書の取り交わしは、法律では義務付けられておらず、双方の合意のみで口頭でも成立します。今回のご相談においても、1万円での売却に同意し、現金と引き換えに車と名義変更書類を引き渡した時点で売買契約は成立し、履行が完了しています。したがって、契約金額をはじめとした契約内容の変更、契約解除は売主と買主双方の同意が必要となります。（契約条項などが定められている場合はそれに従って判断されます）
相談者が売却した車が高値で販売されていたとのことですが、「エンジンの調子が悪く」「ナンバープレートは外されていた」ということは、買取業者が車を受け取った後、エンジン不具合に関する修理・点検や再販に向けた整備、一時抹消登録を行うなど、コストをかけたうえで販売に至ったと考えられます。
販売するか廃車するかの選択、販売価格については業者が自由に判断することができます。したがって追加で支払いをしてもらうことや、受け取ったお金を返金しての返車は難しいでしょう。もし、買取業者が返車に同意した場合であっても、行った修理・整備代などを請求される可能性があります。
車を手放す際は、複数の買取業者で査定を受けるなど、車の価値を把握して検討することをお勧めします。その際は、今回のご相談のような「エンジンの調子が悪い」などといった車のコンディションはもちろんのこと、「追突事故に遭ったことがある」といった外的な状況などを申告することがトラブルを避けることに繋がります。
