相談内容
車を手放すため、一括査定サービスに申し込みをした。数社連絡が来た中に、「現車査定をせずに、電話でヒアリングをしてからインターネット上で契約を締結する」という買取業者がいた。その買取業者の査定を受けるか検討中で、もしその買取業者と対面せず契約するとしたら、どのようなことに気を付けたらよいか教えてください。
回答
従来、車の売買契約は、店舗や依頼者の自宅等で現車査定を行い、対面で契約書面を取り交わすことが主流でしたが、最近では、対面での電子契約のほか、
- 現車査定を行って、その後遠隔で電子契約を取り交わす
- 依頼者からの車の情報をもとに、電話のみで契約を取り交わす
- 依頼者からの車の情報をもとに、電話とインターネットを用いて電子契約を取り交わす
など、さまざまな非対面での契約の方法が登場しています。
今回のご相談者は3.の「依頼者からの車の情報をもとに、電話とインターネットを用いて電子契約を取り交わす」買取業者との契約を検討しているとのことでした。
3.だけではなく、1.や2.の方法を含め、確認すべきポイントについて説明します。
査定を依頼する前に知っておきたいこと
買取業者に関する口コミなどを参考にする
買取業者は車を直接確認できないリスクもありますが、消費者側からしても、実際対面をせずに契約することに不安を感じる方も多いと思います。インターネットで検索をする際、個社のホームページだけではなく、口コミなどを参考にするのもよいでしょう。
口頭のみで契約が成立する買取業者もあることを理解しておく
今回の買取業者は事前に3.の「電話とインターネットを用いて電子契約をします」と説明がありましたが、2.のように、契約金額や条件の提示に合意した時点で「口頭のみで契約は成立する」としている買取業者もあります。契約内容に関する受け答えは十分留意して行うようにしてください。
契約を取り交わすときに気を付けること
非対面での契約を進める前に「本人確認」をどのように行うのか確認する
インターネットや電話などで相手方と対面をせず古物の売買を行う非対面の場合でも、古物営業法で「契約時に売主に対し本人確認を行うための措置」が規定されています。しかし、非対面での契約では、対面と異なり本人確認をその場で行うことができません。契約に当たって本人確認をどのように行うのか、あらかじめ買取業者に確認するとよいでしょう。
車両についての情報・状態は知りうる限り申告すること
先に述べたように、車の売買を行う際は通常買取業者が現車の確認を行いますが、非対面の場合は、売主からの車両情報(車検証の情報)や状態の申告を元に査定金額を算出します。そのため、後に現車を買取業者に引き渡してから、申告と現車の状況に乖離があると、トラブルに発展する可能性が高まります。修復歴や事故歴、災害歴、メーター交換だけではなく、通常使用していて気になった走行上の不具合などももれなく申告してください。車を家族で共用している場合は、申告すべき事象がないか他の家族にあらかじめ確認してから査定を申し込むことをお勧めします。
契約内容に間違いないか確認、わからないことは質問をする
今回の相談者が検討している買取業者では、契約する際、端末上に契約内容が表示され、確認を行った後に署名を行うことが考えられます。表示されている内容に間違いがないかはもちろんのこと、この後の契約の流れなど表示されていないことなども含め、疑問に思ったことは署名や口頭での合意前に質問してください。
スマホやタブレット端末などを使用している場合、小さく見づらいといったことがあるかもしれません。ただ、署名や口頭での合意をしたら、基本的には表示された契約内容や約款に基づいて契約を履行する必要があります。「よく確認をしていなかった」ということがないようにしてください。
特に、トラブルに繋がりやすい「車両引き渡し後の減額」「契約解除に関する条項(違約金)」「支払期日」などがどのように定められているか確認するとよいでしょう。
契約書面の電子ファイルなど、契約内容は保存する
契約内容のファイルなどが送られてきた際は必ず保存してください。ファイルを保存しない、または破棄してしまうと、あとあとトラブルが起きた場合、「契約内容がわからない」ということになります。入金が終わってもしばらく保存しておいてください。
契約は慎重に!
どのような契約の形態であっても、契約内容や契約約款を確認してから署名や同意をすることが大切ですが、査定を申し込む前の事前のリサーチも、トラブルを避けることに繋がります。