
相談内容
買取業者と売買契約を取り交わし、車と名義変更の書類を引き渡した。翌週振り込みで入金も済んでいるが、家族から「車の中に忘れ物をしたかもしれない」と言われた。車内の荷物はすべて降ろしたつもりだったが、見落としがあったようだ。
急いで担当者に連絡し、探してほしいと頼んだが「あったとしても既に処分されていると思う」と断られた。「それなら自分で探させてほしい」とも話したが、「現車はここになく、既に遠方のオークション会場に運ばれているので不可能です」と言われた。
こちらの不手際で忘れ物をしたのは確かだが、買取業者に対して弁償を求めることはできるのでしょうか。
回答
結論から申し上げますと、車を引き渡した時点で、車載物の所有権は放棄したものとみなされます。買取業者も再度確認をしてくれる場合も多いと思いますが、忘れ物は売主の責任(過失)ですので、買主に責任や損害賠償を求めることは難しいでしょう。
残置物の扱いについては契約条項に定められていることも多いので、契約書を確認してみてください。
買取業者は、車を受け取った直後からオークション出品の手続きや、自社での再販に向けて板金・整備等を行うなど準備を行います。車を引き渡した直後、まだ店舗に置かれている状況であれば見つかることもあるでしょうが、それ以降になると処分されていたり、取り戻せない可能性が高いでしょう。
車を手放す際は、名義変更書類を揃えたり、載せていた荷物を降ろすなど、準備に追われることと思います。車は収納スペースがたくさんありますので、家族で共有している車であれば、全員で確認をしてから引き渡すように心がけたほうがよいでしょう。
収納スペースのチェック以外でも、以下の点に注意してください。
- カーナビゲーションの個人情報を消去する
- ETCカードの抜き忘れがないか確認する
- ドライブレコーダーやオーディオのデータ消去、SDカード等の抜き忘れがないか確認する
載せていた荷物をやむを得ず買取業者で預かってもらうことになった場合は、速やかに引き取りに行くことをお勧めします。
売買契約を取り交わすと、車をできるだけ早く引き渡してほしいと言われるかもしれませんが、余裕を持って準備することが、トラブルを回避につながるのではないでしょうか。