
質問内容
個人間売買を仲介するフリマサイトで、普通自動車を売った。車と名義変更に必要な書類は、購入者に直接会って引き渡し、速やかに名義変更するよう要望を伝えた。
ところが3か月経ってもいまだに購入者が名義変更手続きをせず、そのまま車を使用している。手続きをするよう催促の連絡もしているが「平日忙しいので難しい」と応じてもらえない。
売買契約書や覚書は特に作成していない。警察にも相談したが、「民事なので対応できない」とのことだった。今後どうしたらいいか。
回答
フリマサイトやソーシャルメディアが普及し、気軽に個人で車を売買できるようになりました。買取業者やオークションを仲介しないので手数料などの費用を抑えることができ、売り手は「高く売れる」、買い手は「安く買える」こともあるでしょう。しかし、今回のような個人間売買のトラブルは後を絶ちません。
道路運送車両法では、『所有者の変更があつたときは、新所有者は、その事由があつた日から十五日以内に移転登録の申請を行う』と定められています。
今回ご相談のケースだと、印鑑証明書の有効期限が切れている可能性が高く、再度発行して買主(購入者)に渡す必要があると考えられます。渡す際には、『いつまでに名義変更手続きをするのか』の覚書を作成して買主と取り交わした方がよいでしょう。加えて、身元確認書類として免許証のコピーを取らせてもらうことも有効です。
できれば売買契約書も交わしておくこともお勧めします。売買契約書や覚書を取り交わしたからといって、交わした約束が守られるとは限りませんが、「言った」「聞いていない」などといったトラブルが起きた際、「どのような内容の契約だったのか」を明確に把握することができるからです。
このまま買主が車の名義変更をせず使用し続け、事故や違反を起こした場合、売主(相談者)が車を手放した証拠がないといった理由で、責任が及ばないとも限りません。また、自動車税(種別割)についても名義変更がなされない限り、納税通知書は車検証上の所有者である売主の元に届きますので、さらなるトラブルに発展する可能性もあります。※
フリマサイト内のトラブルは、当事者間で解決するということが多くの利用規約で定められています。フリマサイトは「取引の場を提供している」だけという認識を持った方がよいでしょう。
警察も基本的に民事不介入となりますので、フリマサイトでの取引を含め、個人間売買のトラブルが当事者間で解決できない場合、弁護士に依頼するしかありません。こういったリスクがあることも踏まえて、慎重に売買契約を取り交わすことが大切です。
※個人間売買の自動車税(種別割)についてのトラブル相談事例はこちら
個人間売買で名義変更されず自動車税(種別割)の納付書が届いた