相談内容
買取業者へ車を売却する契約を取り交わし、契約翌日に車と必要書類を店舗で引き渡した。
数日後、買取業者から「車検証上の所有者である信販会社に問い合わせたところ、ローンの返済が終わっていませんでした。買取金額を上回っておりますので、相殺で不足する分を当社へ至急お支払いください」と連絡があった。仕事が多忙になったり、家族にお金の工面の相談をしていたこともあり、不足分の支払いを済ませるのに2カ月ほどかかってしまった。
そのため、買取業者から減額を求められている。ローンの返済は終わっていると思っていた。こちらの不手際もあるが、契約車両は引き渡している。契約した金額を減額するのは正当なことなのでしょうか。
回答
車の売買契約を取り交わした売主(相談者)と買主(買取業者)は、それぞれに義務を負うことになります。
主な売主の義務は、以下の通りです。
- 契約内容に適合した車両を、買主と合意した期限内に引き渡す
- 名義変更に必要な書類を完備し、買主と合意した期限内に引き渡す
- 契約車両に関する債務(ローン残債や未納自動車税(種別割)など)がある場合はただちに完済する
一方、買主の義務は、売主が1.~3.の義務を履行した上で生じることになります。
主な買主の義務は以下の通りです。
- 契約時に合意した期限内に代金を支払う (売主より債務精算を依頼されている場合は精算手続きを行い、残余があれば売主に支払う)
- 名義変更(移転登録または抹消登録)の手続きを行う
今回のご相談者は、売主の義務1.については「買主と合意した期限内に」引き渡しを行い、履行しました。
しかしながら、ローンを完済していないことが判明し、3.の義務が生じました。さらに残債が買取額を上回っていたため、不足分の資金を用意しなければなりませんでした。
また、2.についても、ローンを完済しなければ信販会社で所有権解除の手続きを行うことができませんので、名義変更に必要な書類を完備するまでに時間を要することになりました。
結果として、売主の義務1.~3.をすべて履行するまでに2カ月かかったということでした。今回のご相談については「売主の契約不履行」にあたると考えられ、買主が売主に対し、減額を求めることは、一般的な商取引として合理的なものと思われます。また、査定から2カ月経過していることから、車両の相場が下落している可能性も否めません。
トラブルを避けるためには
ローンを組んで購入した車を手放す場合、まずは契約している信販会社あるいは販売会社(購入元)に問い合わせ、正確な残債額を把握することで、今回のようなトラブルを避けることができます。
書類の不備がある場合、支払いに支障をきたしますし、今回のご相談のように減額を求められるだけではなく、契約解除や損害賠償を求められる可能性もありますので、もれのないよう準備するようにしてください。
なお、ローンを組んで購入した車は所有権留保されていることが多く、売却にあたっては所有権解除を行う必要があり、完済していたとしても支払いに日数がかかることも覚えておくとよいでしょう。