相談内容
夫が1年ほど前に残価設定型クレジットを組んで新車を購入したが、返済中に亡くなってしまった。車検証上の所有者を確認したところ、新車ディーラーの名義で、夫は使用者となっていた。
自分自身(妻)は運転免許証を所持しておらず、相続人となる子供たちも車はいらないと言っているので、車を手放したいと思っている。残っているローンはどうなりますか。
回答
ローンの契約者がお亡くなりになった場合、プラスとなる資産同様、マイナスとなる返済中のローンについても相続の対象となります。相続放棄(亡くなった方の財産も負債もすべて引き継がないこと)をしない場合、原則として相続人がローン債務を承継することになります。
まず最初に「団体信用生命保険」や「死亡時免除特約」などの加入を確認してください。
「団体信用生命保険」「死亡時免除特約」とは
自動車ローンや残価設定型クレジットの返済中に、契約者が死亡または所定の健康状態になった場合※1に、返済が免除される保険(特約)が付帯されていることがあります。契約書やオンラインで契約内容(保険や特約の加入)を確認してください。
※1 保障の条件などは会社や契約によって異なります。
今回のご相談者に確認していただいたところ、「団体信用生命保険」や「死亡時免除特約」は自動付帯ではなく、任意加入もしていないとのことでした。したがって、車を手放すにあたり次のいずれかの方法を検討することになります。
残債設定型クレジットの車を手放す方法
残価設定型クレジットは、数年後に車を返却する前提で、残価をあらかじめ差し引いた額を分割で支払うため、月々の負担が抑えられるという特徴があります。「残価保証」されている場合であっても、それはあくまでも契約期間(3年や5年など)を満了することが前提となり、中途解約時は保証が適用されません(元から残価保証されていない場合もあります)。特に新車に関しては、初年度の値落ち幅が大きいことを念頭に置いておきましょう。
①契約車両を返却し、残債の精算を行う
通常のカーローンと異なり、残価設定型クレジットの場合、中途解約時に販売店(今回のご相談の場合、新車ディーラー)に車を返却することが可能です。契約車両を返却するにあたっては、販売店による実車査定※2で査定額を算出し、残価を含む残債と相殺します。
先ほど説明した通り、新車は初年度の値落ち幅が大きいため、今回のご相談のように1年ほどで中途解約をする場合は「現在の査定額」が「残価を含む残債」を下回り、差額の支払いが発生する可能性が高いと思われます。
※2 返却時の査定の基準などは会社によって異なります。
②残価を含めた残債の精算を行い、契約車両の所有権解除をして売却する
販売店に車両を返却せず、買取業者などに売却することも可能です。契約車両の売却にあたっては、残価を含む残債を一括で返済、所有権解除する必要がありますが、買取業者によっては、精算手続きの代行を依頼することも可能です。
・売却金額が残債(残価を含む)を上回る場合 ⇒ 差額を受け取ることができます。
・売却金額が残債(残価を含む)を下回る場合 ⇒ 差額の支払いが必要になります。
販売店や契約している信販会社に相談を!
まずは、販売店あるいは契約している信販会社に「契約者が亡くなったため、車を手放したい」旨を伝え、どちらの方法で手放すか、比較・検討することをお勧めします。中途解約手数料あるいは繰上返済(早期完済)手数料がかかることもありますので、各社の規約なども踏まえて判断してください。
また、戸籍謄本や遺産分割協議書など相続に関する書類が必要になります。詳しいことは担当者に確認しながら準備するようにしましょう。